NPO法人 才の木
理事長
高 部 圭 司
理事長
高 部 圭 司
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NPO法人才の木は平成18年に設立されて以降、15年間にわたり環境と経済の調和ある社会の構築に向けて、広く一般市民を対象に、木材利用と森づくりを通した環境教育の普及・啓発事業を実施してきました。日本木材学会年次大会では特別講演会を共催して森林・木材に関する最新の研究成果を提供し、NPO法人京都・森と住まい百年の会との間でライフ・アンド・フォレストを共催し、全国各地で展開されている森林・木材に関するユニークな実践を紹介してきました。また、毎年2〜4回のトークカフェを開催し、日本の森林・林業の現状や今後の方向性、木材の新しい使い方などの先進的研究成果をわかりやすく伝えてきました。また、NPO法人まえばし保育ネットワークと連携し、木育を実施するための講師派遣や、木育効果のデータ収集などを実施してきました。
近年、地球温暖化に伴う大規模な気候変動が顕在化し、日本や世界各国で気象災害が頻発しています。最近公表されたIPCC第6次評価報告書では、「人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない。」とされ、「人為的な地球温暖化を特定の水準に制限するには、CO2の累積排出量を制限し、少なくともCO2正味ゼロ排出を達成し、他の温室効果ガスも大幅に削減する必要がある。」と記されています。かつては低炭素社会の構築が叫ばれてきましたが、今や「脱炭素社会」の構築が急務となっています。そのため、CO2吸収源である森林の健全な育成や、カーボンニュートラルな木質資源を利活用することが求められています。また、ストレスフルな現代社会においては、心身ともに健康な状態を保つ事が必要です。木材は、最近の科学的検証により人のストレス軽減に効果的であることが示され、木材が住環境の改善に用いられることが期待されています。才の木では、これからも最新の科学的研究成果を一般市民の方々に分かりやすく紹介し、森林・林業や木材産業のあり方や、持続可能なライフスタイルの構築などを、共に考えていきたいと考えております。
2020年に入り日本はコロナ禍に覆われ、現在もその収束に向けて苦闘が続いています。残念ながら才の木の活動も制限を受けていますが、オンラインで日本木材学会大会での特別講演会やライフ・アンド・フォレストを共催するとともに、トークカフェを開催していきます。オンラインでの講演会は、インターネットが利用可能な環境さえあれば、全国どこでも容易に参加することが可能です。このメリットを活かし、講演会やトークカフェの参加者を増やしていきます。
コロナ感染が収束した折には、木育を再開させるとともに、全国各地でのトークカフェ開催も進めていきます。また才の木と同じような理念・目的を持つNPOとの情報交換、協業を進め、ネットワーク化に努めます。皆様からの厚いご支援をよろしくお願いいたします。
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